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写心

写真ってね、そこにある情報を写し出すものなんだけど、

でもねそれだけじゃなくて、写し手の心も実は写し出してしまうものなのです。

なんて、偉そうに宣言しちゃったけど、本当にそうだなと、思ってます。

好きだと思って、何かを撮ればその思いが写真に現れるし、

面倒くさいと思って撮ればその気持ちが出てくる。

緊張して撮れば、それが見て取れるし、ゆったりした気分で撮ればそういう写真に仕上がる。

たとえ、自分の気持ちが自分で分からないときだったとしても、そのときの作品を見ると、ああ、あの時はこんな葛藤をしてたんだ。と、素直に気持ちが写真に出てくる。

とある写真家が写真は写心(心を写す)である。といったけれど、その通りだと思う。

なんで、こんな事をズラズラ語っているかと言うと、

この間の木曜日に、すごい写真を見てしまったから。

セバスチャン・サルガド  アフリカ展 

たまたま日曜美術館というテレビ番組の再放送が目に留まって、「この人の作品良いねぇ〜。」と言った私に
「行ってこい!」という母ちゃんの太っ腹な計らいで、日帰りで東京まで見に行ってきました。

写真展の内容は、ルワンダ紛争を初め、ヨーロッパの植民地支配のせいで内戦の耐えないアフリカを写したフォトジャーナリズムが中心。

とても、悲惨な場所にセバスチャン・サルガドは行き

そして、そこに生きる人々をカメラで写した。

目を背けたくなるような悲惨な場面の写真もあった。

でもね、見ていると不思議と怖くなかったし、逆に心が温かくなるような気持ちになってる自分がいた。

それは、可愛い4歳のMくん(大好きな友達のMちゃんの愛息子)を抱っこしながら見ていたというのも会ったのかもしれないけれど、

難民に降り注ぐ光。

疲れきった目。恐怖の入り交じった目。

そんな中にも、光があった。

それが、どうも神様の愛に見えてしょうがなかった。

前に言った、写真は撮り手の心を写す。という言葉。

このセバスチャン・サルガドの写真をみると、愛がそこに会った。

日曜美術館で、言っていたんだけど、
ある人がサルガドの写真をみて、こんなにひどい状況を、光を持って幻想的に写し出すなんて不謹慎だ。
と反論したらしい。(って、かなりあやふやな私の記憶だから、言い方は違ったかもしれない。でも、まぁ、そんな感じの事を言ったらしいのね。)

でも、サルガドは「そこにも光があった。」と言ったらしい。

どんなに酷い目に会っている人々でも、どんなに悲惨な現実の中にも、神様の愛はそこにある。

サルガドの写した写真を見て、そこに愛が見えた。

p.s. 一緒に写真展に行ってくれて、楽しい午後の一時をおくらせてくれたN家の皆。ありがとうございます。
また、会いに行くね!

by sshioo | 2009-12-10 22:51 | Photography